2008年05月23日

第46回目『鮎喰川の鮎』

鮎は稚魚の期間を海で暮らし、晩春の頃より河川へ登り成長する。晩秋に産卵し短い一生を終える一年魚だ。急流を必死に遡上する姿はけなげで、古来より登る時期や多少により豊凶作占いの指標にした。そのため魚偏に占いと書くのだろう。

全国に鮎の姿や匂い自慢の河川は数々あるが、鮎を喰う川(鮎喰川)の発想は他に類がない。下流域は水も途切れ川原の石だけが目立ち、鮎の登る川には見えない。が、現在も同河川の鮎は県下一美味と評判も高い。

普段は水の途切れた川だが、春、木の芽起こしの大雨に乗じ、天井川(川底が周辺より高い)を遡上して上流へ達し、良質の珪藻類を食って美味しく育つのだろう。この川は他にも摩訶不思議なことがある。夏から秋の台風シーズンに突然巨鮎が出現し釣り人を驚かすのだ。(普段は中型鮎以上に育たない)

これらは吉野川の大鮎が洪水で下流域へ下り、早期に濁りの澄む鮎喰川を一夜で10km近くも、遡り上流域へ達するからだ。中下流域にエサの珪藻は少ないため、道草もせず一気に登り切るのだろう。それにしても上流に良質の珪藻が、存在することを知っている鮎の嗅覚は素晴らしい。6月1日は鮎喰川の鮎解禁なので、自分の運勢でも占ってみるか。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 14:41 | 日記


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