2008年05月16日

第45回目『ウォンテッド』

晩春から初夏に水クラゲの大群が沿岸へ押し寄せ、原発や火力発電所の海水取り入れ口に群がる。金網で防御しても目詰まりを起こし、操業をしばしば妨害する。釣り場でも見渡すかぎりクラゲがプカプカ浮かび、ウキを入れる空間もない。魚はクラゲの毒針を恐れるのか周囲に寄りつかない。困ったものだ。

ところが最近、越前クラゲが空前の大発生をした。黄海や東シナ海で大量に発生し、巨大化しながら日本海へ達するという。このクラゲは傘の直径1m、重量100kgにも達する世界最大級の巨大種だ。中華料理の食材にもなるが、歯ごたえも悪く利用価値は低い。

漁網に入れば余りの重さで、網は破られ目詰まりを起こす。さらに網中の魚を毒針で刺し商品価値を低下させる。そこで網にワイヤーを装着しクラゲを「トコロテン」状に切り刻み網外へ排出している。

昨年は瀬戸内海、太平洋、北海道西岸にまで出現した。その結果、全国の沿岸へ卵がまき散らされた恐れもある。温暖化で卵が定着すれば大発生は避けられないそうだ。

漁業被害はこれだけにとどまらない。魚の稚魚とクラゲが食べるプランクトンが競合した場合、その魚種は激減するだろうと警告している。これらを憂慮した水産庁はポスターに稚クラゲの写真を載せ、見掛けたら連絡するよう協力を依頼し、越前クラゲを指名手配し警鐘を鳴らした。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 10:27 | 日記


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