2008年10月15日

第48回目『ハリの疑問』

釣具の中で唯一魚に直接触れるハリは、道具として最初に考え出されたものだろう。それ以来数千年もの間ほとんど形状は変わらず、現在まで連綿と受け継がれている。それほど完成されたハリだが、最近では他の釣具に比べ、強靱なるが故に疎んじられているのではないだろうか。
磯釣りでは釣り人の増加で、魚の警戒心が強くなりおいそれと食ってこなくなった。そこで仕掛けや釣り方の工夫をするのだが、なぜかハリを忘れている人が多い。ハリスやウキは度々交換するのだが、ハリにはあまりに無頓着だ。状況に合わせて交換することで、思わぬ結果が得られることもある、魚に一番近いハリを忘れることなく、上手な使い分けをしてみよう。


ハリを選ぶのはハリスの太さと、魚の大きさを元にして決定する。ハリスより強度の落ちるハリを使ったのでは、折れたり曲がったりするので要注意だ。魚の大きさに対して小さなハリはハリ外れの原因にもなる。大きすぎるハリは魚の口へ掛かりにくい。ハリスとハリはバランスがとれてこそ両者の強度も生きてくる。そのためにも号数と強度の異なるハリを多数揃えて、状況に合わせて使い分けよう。
――――――――――――――――――――――――
ハリの関係する事故では「結び目がほどける。ハリが伸びる。ハリが折れる。ハリ外れ。」の順で腹が立つ。特に伸びたり折れるのは、製品に転換できるので二度と使うかと不満も増幅する。しかし、ハリスの強さと使うハリの強度は事前に調べていただろうか。
――――――――――――――――――――――――
ハリの強度は同じ軸の太さなら、号数の大きなハリや軸の長いハリほど、てこの原理が働き伸びやすくなる。しかし、軸の短いハリは飲み込まれる危険もあるので、適材適所で使うといいだろう。
――――――――――――――――――――――――
ハリの型は人それぞれの好みだが、磯釣りの基本形は外れにくい伊勢尼型が主流だ。懐の狭いハリはハリ外れを起こしやすい。広すぎるハリは伸びる危険がつきまとう。バランスの取れたハリを使うべきだろう。
――――――――――――――――――――――――
昔のハリは焼き入れが甘く鋼材も粗悪だったので、長く使うとハリ先が鈍り立ちが悪くなった。最近のハリはほとんど摩耗することもなくなったが、磯などへ引っ掛かるとハリ先が折れることもあるので、時々爪などへ立ててチェックしよう。少しでも異常を感じれば早め早めに交換しよう(私は気分一新するためにも定期的に交換している)。
――――――――――――――――――――――――
ハリが魚の下唇に掛かっているときは、魚が下向きにサシエを食っているのだろう。こんな場合はウキ下が深すぎる傾向なので、少し浅くし様子を見てみよう。口の真横にかんぬきに掛かるか、上唇に掛かっていればウキ下は適切で、やり取りの最中に歯でハリスを切られることも防げるだろう。
――――――――――――――――――――――――
魚の食いがよくないときは、一般にハリを小さくする傾向がある。しかし、小さなハリはハリ外れが起こりやすいので、対策として飲み込ますつもりで遅アワセをしてみよう。喉の奥に掛かると小さなハリでも外れにくくなる(釣り上げてハリを飲み込まれていれば、括り目の周辺を点検することを忘れないでほしい)。
小バリには利点もあるが欠点もあるので、小バリにする前に重量の軽いハリを使ってみよう。食い込みがよくなり、ハリ外れもなくなるので、小バリより効果も上がるだろう。このときにもハリスの強度に負けないだけの、ハリを使うことを忘れないでほしい(意識的にハリスの強度より弱いハリを使う場合は、竿で矯めすぎないよう注意しよう)。
――――――――――――――――――――――――
口の小さなハゲ類、アイなどは、狙ってもなかなかハリ掛かりしない。こんなときには大きなハリに小さなエサを付けると、ハリ掛かりしやすくなる(大バリの小エサとも言う)。ハヤブサではハゲバリも用意しているので流用してみよう。
――――――――――――――――――――――――
エサ取りの多いときには、ハリの色を茶焼きや黒に替えてみよう。目立たないのでサシエが長持ちすることもある。反対に少ないときには金や銀色にすると、サシエが目立つこともある。しかし、目立つので魚に見破られることも多く、海の色や天候(曇りや晴れ、ウキ下の深い場合)で様々な色のハリを使い分けてみよう。
――――――――――――――――――――――――
ハリの結び方は色々あるが、一種類を完璧にマスターすることだ。たとえば暗がりでも結べるように練習すれば、自信が持て失敗もなくなる。磯釣りで一般的に使われるのは外掛け本結びだ。
――――――――――――――――――――――――
大型尾長グレにハリを飲み込まれると、歯でハリスを切られることがよくある。これを防止するには早アワセをするのが最善だが、一日中神経を張り詰めウキを見詰めているのは疲れる。こんなときには尾長専用バリ(鬼掛 尾長ネムリ・夜尾長など)を使ってみよう。飲み込まれても唇にハリが掛かる設計なので、よい結果が出る場合も多い。
――――――――――――――――――――――――
ハリはどのようにして魚の口へ立つのだろうか。たとえばハリ先が魚と反対方向を向いていると、ハリは下唇に掛かることが多いはずだが。また、ハリスが邪魔してサシエを飲み込むのも難儀すると思われる。
しかし、魚がサシエを食うとき、水と一緒にサシエを吸い込むが、このときハリ先は180度回転してハリ先より魚の口へ入るのだ。そのためほとんどが魚の上唇へ掛かるということになる。ハリとはつくづく優れた釣具と感じる。
――――――――――――――――――――――――
チヌ、マダイ釣りには大きめのハリ、グレ釣りには小バリを使うことが最近の傾向だ。チヌ、マダイ釣りはハリを飲み込まれても、歯でハリスを切られることは少ない。そのため早アワセは必要ない。しかし、小さなハリを使っていると、口の中には小さな先の丸い歯がたくさんあるので、立ち込まず外れることも多い。また、大型魚ならペンチでつぶしたように、ハリがペチャンコになることもある。これでは困るので大き目のハリで確実に口へ掛けよう。
口太グレは小さな歯があるが口の中は柔らかい。ハリを飲み込まれても歯でハリスを切られることも少ない。そのため小バリを使い食わすことを優先させるのだ。
――――――――――――――――――――――――
大型のヒラマサが回遊してきたとしよう。手持ちのハリが細く伸びて役に立たない。こんなときには一本のハリスに二本のハリをくくってみよう。または、ハリスを15センチ前後取り両側へハリをくくり、真ん中をハリスへ結ぶ。魚に両方のハリが立つとハリが細くても取り込める確率は高くなるだろう。


posted by kozato at 09:46 | 日記


広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。