2008年02月15日

第33回目『寒のブリ』

二、八月は商売が振るわない月と言われている。正月やお盆の行事で出費がかさみ、気候もよくないので遠出も控えるためだろう。海でも低水温で魚の動きは鈍く、深みに隠れほとんど移動せず網へも掛からない。そのため巷に出回る魚の種類や数は、他の月に比べて極端に少なくなる。

 そんな中で冬が旬の代表魚はブリだろう。ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと名前を変える出世魚で体長1メートル以上に成長する。冬を乗り切るため身に脂を蓄え丸々肥えてくる。特に寒ブリは脂肪で身が鹿子模様になりサシミ、塩焼きにすれば酒の肴に最高だ。頭や骨はブリ大根にすれば飯のおかずに打ってつけだ。

 ところが春には蓄えた脂肪も残り少なくなり、痩せて身に虫が入りうまさも半減してしまう。初夏に暖かい海で産卵するのでお腹の卵も膨らみ、栄養状態が悪化すれば虫が付くのだろう。魚は旬を外せば食味も墜ちるという典型だ。

 しかし養殖ブリは不思議なことに虫も入らない。有り余るエサを食って体力が落ちないためだが、養殖地の水温も影響しているのだろう。毎年沿岸漁業は衰退していき養殖漁業にウエートが移っていく。ハマチに始まりタイ、ヒラメ、フグ、カンパチ、マグロまで多種に渡る。将来はほとんどの魚が養殖魚になるだろう。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 15:17 | 日記


広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。