2008年01月11日

第28回目『深海の怪人』

 我輩は深海に住むアンコウだが、巷の噂ではグロテスクで悪食家と言われている。外観に似合わず鍋のネタとして根強い人気もあり、肝はアンキモとして美食家には垂涎のまとだ。また、水炊きの付けだれに入れれば濃厚な味わいが出て、野菜の味も一段と引き立ち美味くなる。
 竜宮城へは招待されたことはないが、遠くから乙姫様の姿を垣間見てファンになり、ほのかな恋心を抱いている。何時かはお目通りできたらと楽しみにしている。

 深海の住みかは太陽光線も届かないので暗やみだが、大きな口でエサを捕るには怪しまれず最適だ。気圧は物凄く沈んでくるカップラーメンの容器も、ままごとの容器並に圧縮されてしまう。パッポースチロールは浮く物と考えていたが、時間が経てば水を吸って沈んでしまうのには驚かされた。

 困ったことに最近住みかへナイロンや、ゴミが多数沈んでくる。先日もクラゲがファファ沈んできたので、喜んで丸飲みにしたらナイロンの袋だった。
 しばらく消化に手間取り、腹が痛くなったので慌てて吐きだした。度重なると生命にかかわるのでやめてほしいものだ。海の汚れは深海でも限界に近く、これ以上汚れると浄化作用が追い付かず取り返しが効かない。お互い共存共栄したいものだ。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 13:08 | 日記


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