2007年12月21日

第27回目『おめでたい魚』

  魚の王様を投票で選ぶとすれば真鯛が間違いなく上位へ選出されるだろう。それほど日本人は鯛好きだ。まず、全体的に堂々とした容姿と赤い色がおめでたい。とりわけとがった背ビレと長い尻尾が立派だ。食味も淡泊で万人に好まれ嫌みがない。
 昔より「人は武士、柱は檜の木、魚は鯛」などという。しかし語源は以外に単純で、平たい魚、タイラウオがなまって鯛になったと言われている。鯛科の特徴は背ビレと歯にある。背ビレのトゲが11〜13本あって、貝などを噛み砕く強力な臼歯がなければ鯛科に入れてもらえない。

 鯛科には日本近海だけでも10種類以上の仲間がいるが、それ以外にも姿や形が似ているものは300種以上いる。その中で最高の称号を称えられた鯛とは真鯛のことだ。
 全長1メートル以上に育ち40年は生きると言われている。鯛が赤いのはエサとなるエビ、カニに含まれるアスタキサンチンという色素によるそうだ。養殖鯛はエサにイワシを与え、浅海の生け簀で飼うから黒っぽい色になる。

 海外では意外と不評で高級魚の仲間に入れてもらえない。頭が大きく骨太く3枚下ろしなど、調理がやりにくく身も少ないからだろう。
 正月や婚礼料理では尾頭付きの焼き鯛が出されることがある。ほとんどは冷凍物で水分も少なく身も固く、箸も折れることがある。こんな場合は皿にのせ日本酒を振り、電子レンジでチンすれば柔らかくなり美味しく食べられるだろう。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 11:43 | 日記

2007年12月14日

第26回目『ハマチに化けた』

 昔々イノシシに遭遇した話題を取り上げてみます。磯釣りで有名な牟岐大島は周囲4キロ以上ある無人島だが、渡船で帰り際釣り客と船頭が騒いでいる。何事かと指さす方角を眺めたら、大きなイノシシが首だけ出し苦しげに泳いでいるではないか。
 大島にイノシシのつがいを放したことは知っていたが、長年通っているが見たことはない。崖から誤って転げ落ちたのだろう。急ぎ船を寄せたが海面を浮きつ沈みつ泳いでいる。立派な牙のある大物だ。生きたまま船へ上げれば大暴れして多数の怪我人が出る。

 仕方なく棒で突き仮死状態にした後、渡船へ引き上げたが重いこと重いこと推定70〜80キロはあるだろう。気が付いて暴れられたら困るので、ロープで両足をがんじがらめに縛り港へ運んだ。港では無線を聞いた大勢の見物人が詰めかけ騒然となる。
 もう誰も魚のことなど眼中にない。みんなでボタン鍋にする話が進んだが、猟期ではないので表立って解体できない。仕方なく船頭へ処分を頼み帰路に就く。

 翌週も釣りに出掛けたがボタン鍋はうまかった話で持ちきりだ…?が、一切れの肉も残っていなかった。その代わりハマチを一本いただいたがなぜかすっきりしなかった。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 13:18 | 日記

2007年12月07日

第25回目『魚のお医者さん』

 竜宮城にマンボーという魚がいる。他の魚に下半身を食いちぎられたような格好なので、泳ぐ姿はフラフラ頼りない。食事は波間に漂うクラゲをトコロテンのように喉の奥で越し、食べては横になりプカプカ浮かんでいる。
 サメに追われれば逃げ足が遅いので一溜まりもない。が、卵を数億個も産むので子孫は途絶えることもないのだろう。
 
 のろまな魚だが海のお医者さんと呼ばれ小魚たちに尊敬されている。実は体表面から体液を出し、小魚が傷口をすりつけると治す効果もある。そのため周囲には多くの小魚が集まりより添ってくる。

 今年は度重なる台風の襲来で竜宮城へ大勢の魚達が避難してくる。直撃を受けると海面上は五階建てのビルほどの高波も立つが、海底に潜れば静かなので安心だ。
 それでも逃げ遅れて怪我をする魚も多数いる。仲間から離れるとエサも獲れず可哀想だが死ぬことになる。
 竜宮城へたどり着けばマンボーに手当をしてもらえるのだが、残念ながら傷ついたまま荒波に揉まれ命を落とす。

 海は適度の荒れにより浄化作用も促進するが、度が過ぎれば災害を引き起こす。徳島市内は30年来の大雨で床下浸水したお宅も多数出た。天災は忘れた頃にやってくるというが、台風の襲来も程々にしてもらいたいものだ。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 09:38 | 日記


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