2007年11月09日

第22回目『防波堤のネズミ』

 津田木工団地の沖に一文字防波堤がある。ここはチヌ釣り場として有名で、周年を通じ関西圏からも多数の釣り人が訪れる。海に浮かぶ通称一文字は渡船を利用して釣りをする。
 陸から遠く離れたセメントの防波堤は積み上げたテトラで補強され、テトラの下には干潮時に人間が入れる空洞ができている。この穴へ釣りの最中、釣具を落とし取りに入った経験がある。
 ヤットの思いで釣具を回収し、暗やみの中で登り口を探した。周囲を見回すと木切れやハッポーなどゴミの山で大きな陰が動いた。驚いて目を凝らすとネコほどもある黒い物体がゴミの山へ次々に消えた。穴の中で不気味なネズミの目が光っている・・・!

 台風など波に沈むこともある防波堤で、ネズミは長年住み着き繁栄していた。釣り人の捨てた小魚やマキエサの残りを食って生き長らえていたのだろうか。生命力の強さには驚かされるばかりだ。
 ここへネズミは海を泳いで住み着いたのだろうか。切り立った防波堤へ海からどうやって登ったのだろう。それとも建設当時、作業船に乗り込み係留用のロープを伝い移り住み繁殖したのだろうか。どちらにしても大波をものともせず、生き延び繁殖する力強さには感服した。
 ネズミやゴキブリは天地異変で人間が死に絶えても、生き残るそうだが人間も負けてはいられない。英知を結集してよりよい社会を築きたいものだ。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 09:33 | 日記


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