2007年11月30日

第24回目『イノシシとの遭遇』

 淡路島でのチヌ釣り大会に友人と参加することになり、夜半に車で会場へ急いだ。港近くでヘッドライトの中へ何かが飛び出した。急ブレーキを掛けたが間に合わず追突する。ゴロゴロとイノシシが転げて、山側の路肩へ激突し側溝に落ち動かない。
 てっきり死んだと思いイノシシへ駆け寄るが、ムックリと起き上がり体を揺すり毛を逆立てた。手負いのイノシシに怯え二歩三歩と後退し、脱兎の勢いで車へ逃げ込み様子を見守る。怒って体当たりされたら大怪我をするのは明白だ。
 100キロ近くの大イノシシは車にいちべつし、悠々と斜面を駈け上がり林の中へ姿を消した。友人と顔を見合わせ車外にでて、損傷具合を調べた。バンパー及び方向指示器が割れただけで安心する。時間が迫っているのでそのまま会場へ向かう。

 会場ではイノシシの話で持ちきりになるが、肉を換金すれば修理費を確実に上回るだろう。逃げたのは残念だったが、今日大漁になると慰められる。
 餌がなくなり里へ下りてきたのだろうが、野生の大イノシシはさすがに迫力があった。それでも民家の近くへ出没するのは危険きわまりない。

 この日の釣果は友人がチヌ45センチ級5匹で3位入賞、私はチヌ56センチで大物賞をいただいた。二人にとっては大当たりの1日だった。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 10:40 | 日記

2007年11月16日

第23回目『釣り人 気質』

 磯釣りは毎回魚が釣れるとは限らない。魚運に恵まれず空のクーラーを肩にトボトボ家路へ着くこともまれではない。帰りの車中でも仲間に取り残され、自分だけ不漁なら悔しく再度のリベンジを誓う。 釣れないときの苦しい言い訳は「釣り人が多く」魚の食い気が無かった。「波が高く」良い磯へ上がれなかった。「水温低下」で魚が深みへ避難し居なかった。自分の腕を棚に上げ他へ責任転換するのも常とう手段だ。
 度重なると妻と子供が連帯を組み、父さんたまには「お魚さんを釣ってきてよ!」と嫌みを言われる。久しぶりの大漁に恵まれると、足取りも軽く帰宅し寝ている子供を起こし見せたい衝動にかられる。

 釣り上げた魚の自慢話はだれかれなしに吹聴する。話の度に魚は成長を遂げ、数日中には倍の寸法となることもある。逃がした魚は後々まで記憶に残り、頭の片隅から離れない。
「寝ては夢、起きてはうつつ幻」で魚ごときに軽くあしらわれたことへ腹が立つ。
 今度こそはと手ぐすねを引き再度のチャレンジをするが、大抵は返り討ちに合いすごすご帰る。挑戦しても振られ続けるとやめようかと考えるが、忘れた頃に魚が釣れるので再び熱くなる。

 お魚さんが夢の中へ出てきて「おいで、おいで」と手招をするようになれば、重傷の部類で竿を握らないと納得できない。困ったものだ。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 09:06 | 日記

2007年11月09日

第22回目『防波堤のネズミ』

 津田木工団地の沖に一文字防波堤がある。ここはチヌ釣り場として有名で、周年を通じ関西圏からも多数の釣り人が訪れる。海に浮かぶ通称一文字は渡船を利用して釣りをする。
 陸から遠く離れたセメントの防波堤は積み上げたテトラで補強され、テトラの下には干潮時に人間が入れる空洞ができている。この穴へ釣りの最中、釣具を落とし取りに入った経験がある。
 ヤットの思いで釣具を回収し、暗やみの中で登り口を探した。周囲を見回すと木切れやハッポーなどゴミの山で大きな陰が動いた。驚いて目を凝らすとネコほどもある黒い物体がゴミの山へ次々に消えた。穴の中で不気味なネズミの目が光っている・・・!

 台風など波に沈むこともある防波堤で、ネズミは長年住み着き繁栄していた。釣り人の捨てた小魚やマキエサの残りを食って生き長らえていたのだろうか。生命力の強さには驚かされるばかりだ。
 ここへネズミは海を泳いで住み着いたのだろうか。切り立った防波堤へ海からどうやって登ったのだろう。それとも建設当時、作業船に乗り込み係留用のロープを伝い移り住み繁殖したのだろうか。どちらにしても大波をものともせず、生き延び繁殖する力強さには感服した。
 ネズミやゴキブリは天地異変で人間が死に絶えても、生き残るそうだが人間も負けてはいられない。英知を結集してよりよい社会を築きたいものだ。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 09:33 | 日記

2007年11月02日

第21回目『出世魚』

 春は入学、進級、卒業、就職のシーズンで悲喜こもごもの人生模様を描きだす。竜宮城の魚にも稚魚から成魚へ成長するに従い、価値や呼び名まで変わる出世魚もある。その中で代表的なものはブリおじさん、スズキ君、ボラお姉さんなどだろう。

 ブリは九州北西海域で産卵し、稚魚は黒潮に乗り日本海側と太平洋側に別れて北上する。このとき流れ藻について漂流するので藻雑魚(モジャコ)と呼ぶ。ハマチ養殖はこれを捕獲し生けすで育てる。成長に伴いワカシ、イナダ、ハマチと呼び名が変わり60p以上でブリになる。旬は冬で正月料理の縁起物として珍重され刺身、焼き物にされる。 スズキは沿岸近くで暮らす魚で、稚魚は潮入川の下流域で育ちセイゴ、フッコ、スズキと名を変える。最長は1b以上になり河口部では最大魚の部類に属す。旬は夏で洗いが有名。

 ボラはオボコ、イナ、ボラ老大魚をドド呼ぶ。“ドドのつまり”という言葉はこれに由来する。卵はカラスミといわれ親より有名なので「トビがタカを生む」と同様の意味で使う。旬は冬だがカラスミは本州近海で獲れる卵は小さくて使えない。長崎以南で漁獲れる未成熟卵が必要なため長崎県で名産になった。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 09:03 | 日記


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