2007年10月26日

第20回目『サンマ サバ イワシ』

 サンマ、サバ、イワシなどは大衆魚と言われている。今年はサンマの当たり年で脂ののった大型サンマが安く買える。ところが数年来サバは高値が続き漁獲量も少ない。江戸時代からの漁業文献によると、増減周期は8年でこれを繰り返しているそうだ。数年後にはサンマが高嶺の花になりサバが安くなるだろう。両者は稚魚の時に同じプランクトンを食べ育つので片方が増えると一方は減少するそうだ。
 イワシは20年周期で増減しているという。最盛期には畑の肥料にするほど捕れていたイワシが、今や100分の1に減少した。価格は高騰しグラム値ではマダイよりも高価だ。原因には諸説あるが、海の汚れや稚魚の「チリメン」を捕りすぎるのも一因かもしれない。
 過去に3者が同じ時期に増えた記録はない。増加した個体が他者の稚魚を餌にしているからだろうか。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。


posted by kozato at 09:16 | 日記

2007年10月19日

第19回目『キスが臭い』

 南極オキアミはクジラなどのエサだが、高蛋白で無尽蔵に取れると言われていた。最初は食用の練り製品などに利用する計画だった。ところが製品に加工すると強烈な匂いで多量には食べられない。仕方なく現在では食用にボイルしエビセンや冷凍の野菜寄せ上げなどわずかに使われているだけだ。
 他に転用を試み養殖魚へ与えると、見る見る魚は成長し脂が乗り味も良くなった。ところが従来からのエサ 、イワシやサバの価格には到底太刀打ちできず少量が使われているだけだ。マダイだけは浅海で養殖すると、色は黒ずみ市場価値がなくなる。そこで赤く色付けするため特効薬替わりに使われている。

 釣りエサとしては安価で魚の食いにも優れ、冷凍で持ち運びも便利なので重宝され、現在ではなくてはならない存在になっている。需要は釣りと養殖で五分五分の状態だが、石油価格の高騰でオキアミ漁から撤退する企業も現れている。
 徳島のある企業がオキアミから色素を抽出し、化粧品の口紅を作るプロジェクトを立ち上げた。製品は鮮やかなピンク色で一日中色落ちせず申し分なかったが、残念なことに匂いをどうしても処理できなかった。目を見張るすばらしい色に刺激を受け男性が引き寄せられても、強烈な匂いに閉口し逃げられてしまう。折角ムードが盛り上がってもキスは出来ない。結局研究は失敗に終わった。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 09:15 | 日記

2007年10月12日

第18回目『海洋深層水』

 高知県室戸岬へ釣りに出掛けた帰り海洋深層水の施設を見学した。深海から海水を汲み上げ食品、医薬品などに幅広く利用している。ペットボトル入り飲料水は一般にスーパーで販売されているのでお馴染みだろう。
 ここの施設は使用済み海水を元の海へ返還しているが、排水溝付近には海藻が茂り波打っている。海藻自体珍しくないが周辺海域に海藻はほとんどない。これを見ただけですごさがわかる。

 海洋深層水は北極海のグリーンランド付近で生まれ、深海海流となり約2000年近く掛け世界を周り、日本へ到達し沸き上がっている。現在汲み上げている海水はキリスト誕生時代に生まれた勘定になる。
 この海水はミネラル分など栄養素を多量に含み、温度は低く雑菌もほとんどない。日本では沖縄、高知、静岡、富山県などで、海岸線から急激に(200b以上)深くなっている深海より汲み上げている。
 これで魚や海藻を養殖すると成長が抜群に早く、しかも病気になりにくい。未知の資源だけに期待も大きい。深層水の水温は週年約9.5度、表層水は17〜26度なので、海水の温度差を利用して将来発電予定だという。
 それでも世界各地で過度に利用すると、地球の気温へ異常を起こす事態になるかも知れない。発明発見で生活は便利になるが、両刃の剣で後になって自然破壊や病気がまんえんし後悔することもある。しっかり研究し有効に利用してほしいものだ。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 09:03 | 日記

2007年10月05日

第17回目『タイのタイ』

 マダイほどあでやかな姿と味で日本人に好まれる魚はない。なかでも瀬戸内海の明石や鳴門など潮流が激しい場所で、獲れるマダイは最高の品質とされている。淡泊な白身ながら豊かな風味を醸しだしサシミ、焼き物、煮物、わん物など多彩に調理されている。
 尾頭付の魚を食べていると体内にたくさん骨がある。骨はそれぞれの魚体により、独特の形をしている。この骨の中で魚によく似た骨があり、特に有名なのがタイの骨だ。タイの体中にあることから「タイのタイ」と呼ばれている。

 よく見れば頭、胴体、尻尾へ別れ、目玉やヒレなどもありどことなく魚に見える。この骨は胸ヒレの付け根にあり、ヒレは対であるから1匹の魚に2個ある。昔からお守りにして持てば幸運が舞い込むと信じられている。タイは魚の王様なので、魚釣りのお守りにすると大漁が望めるかも知れない。

 最近はマダイの養殖が盛んで、魚市場では養殖物の占める割合が、マダイ全体の6〜7割にもなっている。価格は天然物に比べて6分の1程度で、安定して出荷されるので重宝されている。天然物は2〜3日サシミで食べられるが、養殖物は明くる日に身が柔らかくなるので煮付けや水炊きにされる。

※本コラムは小里哲也氏が氏の徳島新聞かわら版に2003年5月〜2007年2月に寄稿したものを順不同にて掲載させていただいたものです。

posted by kozato at 10:46 | 日記


広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。